ホソヤのお客様紹介 vol.4
大正12年創業 品質と本物の味の追求!
住所 | 〒377-1302 群馬県吾妻郡長野原町大字川原湯538-2 |
電話 | 0279-83-2226 |
担当設備 | イータマックス冷凍冷蔵システム設備工事、空気調和設備工事、トータルメンテナンス |
源頼朝が発見したと言われ、天下の奇祭・湯かけまつりでも有名な川原湯温泉で、大正12年から牛乳を製造している「豊田乳業」様。現・社長の豊田武夫様の祖父・豊田健造様が創業して87年、温泉やスキーの帰りには必ず立ち寄るという、県内外の多くのファンを持つ老舗です。飲みやすさを追求した「酪農3.6牛乳 北軽井沢」、本物の牛乳の味を追求した「トヨダ 浅間高原牛乳」シンプルなおいしさが際立つ「トヨダヨーグルト」。豊田様の製品は、作り手の姿勢がなるほどこの味に結びついているのかと納得できるものばかりです。平成21年6月の新工場稼働に伴い商品をこの3種類に絞り込み、「選別と集中」そして「こだわりと挑戦」で、お客様に喜んで頂ける商品作りに、日々熱き思いで取り組んでいらっしゃいます。
細谷工業創業以来50年のおつきあい
3代目 豊田武夫社長にお話を伺いました。
豊田乳業様の歩みをお聞かせください。
大正12年に祖父が創業しました。それ以前は、旅館を営んでいた祖母の家に婿入りして後を継いでいたのですが、2度も火災に遭い廃業することになってしまったのです。さてどうしよう?ということで牛での運送業を始めたのですが、その後乳をしぼって出荷しようと思いつき、方向転換し川原湯温泉のこの地で牛を飼い始めたのですね。当時酪農は先端産業でした。祖父は牛を飼うのが上手だったようです。戦争中の食糧難の時も牛乳は大変貴重品だったので、とても繁盛し、終戦直後には相当お金を持っていたようですが、しかしそれも新旧円切り替えでゼロになってしまったと聞いています。
2代目の父の代にも、高度成長期で、川原湯温泉があるということもあり需要はありました。この時にコーヒー牛乳の製造を開始したのですが、とても人気が高く、コーヒー牛乳を詰めて売りに行くとものすごく売れたという記憶があります。
私の代になり、昭和57年に工場を建て、乳処理業を開始しました。それまでの「牛乳屋」から「豊田乳業」になった瞬間です。その後、道路用地になる事が決まったため、細谷工業さんにお願いし現在の場所に新工場を建て、平成21年6月の稼働と同時に商品の見直しも行いました。
その「豊田乳業」の基礎を築いたおじいさまは先見性のあるすごい方だったとお聞きしていますが。
はい。おじいさんはとても器用で先進的な人でした。元々は松下幸之助さんが松下電器を創業したのと同時代の電気屋でした。今でいう国家試験の「一等電気工夫」という資格を持っていたのです。しかしそれを辞めて婿に来ました。どうしてやめてしまったかはわかりませんが、よく電気をいじっていた姿を思い出します。
創業時にタオルを配ったそうなのですが、そのタオルには「自動車に牛乳を積んで出す」という絵が描かれていました。車などほとんどない時代です。当時を知る人から「そんな絵のタオルを配るなんて、先を見る目が合ったんだね。」と褒められます。見識もあったでしょうし、牛の健康管理などもわかっている人でした。
今回見直しをしたという商品について、ご紹介頂けますか?
(社長のご長男・豊田真一さんが紹介してくださいました。)
ヨーグルト、牛乳合わせて全部で3種類に絞りました。新工場がスタートしたばかりですので、商品構成もシンプルにしました。
まずは主力商品の「酪農3.6牛乳北軽井沢」ですが、これは生産者を北軽井沢の長野原地区に限りました。酪農が盛んな地元・北軽井沢の産地表示のもと、100パーセント北軽井沢の酪農家の方から届く原乳を使用しています。
次に、「トヨダ 浅間高原牛乳」です。こちらはパッケージ表示の通り、北軽井沢長野原地区の中でも更に限定し、川嶋一夫牧場で絞られたもののみ使用しています。一軒の酪農家の生産する牛乳だけを使用した商品作りは全国的にも珍しいのではないでしょうか。
川嶋牧場さんは、常に牛のことを考えた飼育をし、本来の牛乳の味を伝えたいという強い志のある方です。「これが牛乳だ。」というこだわりの味に触れてみてください。
三つ目は「トヨダヨーグルト」です。菌種から自社で育てており、甘さ控えめでなめらかな舌触りに仕上げました。パッケージも自社でデザインしています。多くのお客様に是非召し上がって頂きたいと思います。一押しの商品です。
製品づくりに対する思いをお聞かせください。
創業当初から、うちの商品は日持ちがするのが特徴でした。とても良い井戸があり、搾乳したものをすぐに低い水温の井戸で冷やすことができたことが、品質を保てた一因です。製造の過程において昔ながらに衛生面に気を配り、商品管理に細心の注意を払ってきたという伝統を受け継ぎ、今後も「製品の品質管理を肝に銘じてやる」という思いがあります。とにかく商品管理をしっかり行うの一言に尽きます。
今回のイータマックスの導入は、商品を高品質のまま管理できるという点からも期待しております。
そのイータマックスですが、一年間ご使用頂いたご感想はいかがでしょうか?
非常に順調に稼働しており、コスト削減にも役立っています。
霜取りをしないので温度変化がなく、商品の鮮度を保つことができます。高品質のまま管理することができ、しかも、省エネルギー効果があるということで、新工場建設と同時にご提案頂き、導入しました。信頼する細谷工業さんからの提案でしたので、二つ返事で導入したのですが、「あれっ?」という程不都合がなく、順調に稼働しています。この新システムの導入の決断も、今までのお付き合いがあるからこそです。
弊社とお付き合いいただいたきっかけは何だったのでしょうか。
細谷工業さんとはおやじの代からのお付き合いです。細谷力雄さんが独立なさって、私どもの所にお見えになり、納品して頂いたのがホソヤさんにとってもひとケタ台の納品だったのではないでしょうか。私が小学生の頃のことだと記憶しています。もう50年のおつきあいになりますか。
冷凍冷蔵関係ならホソヤさんしか頭にありません。わがままにもよく応えてくれますし、こちらの性格もよく理解してくださっていてありがたいと思います。褒めすぎると慣れ合いになってしまう恐れがあるのでこの辺に留めますが、設備への信頼は100パーセントです。
あたたかいお言葉ありがとうございます。
しかしまだまだ不足も多いかと思います。ご要望がありましたらご遠慮なくお聞かせください。
そうですね…正直、特にこれといって思いつきません。ホソヤさんからは、冷蔵庫以外にも他の商品の製造に関する事など、何度もアドバイスを頂いており、本当に信頼しているのです。新工場を建てる際も真っ先にホソヤさんに相談しました。きれいに造って頂き、満足しています。長い付き合いなので勝手な事も言ってますし、これからも言うのではないかと思いますが、それに応えてくれる関係だと思っています。そんな面もいいなぁと思っています。その他にも、こちらは都市部から遠いですが、群馬の玄関口の高崎からわざわざ来てくださるので、文化面でも参考になることがあります。
最後に、豊田乳業様の今後の抱負についてお聞かせください。
新工場発足後約1年。商品もシンプル化しましたし、まだまだこれからです。この先あやふやな形で大きくなるのはいけないと思っています。反対に基礎がしっかりしていれば自然と方向性は決まってきます。今は、基礎固めの段階だと認識しています。
全3種類というパッケージでスタートしましたが、また違ったものを作ろうという考えもあります。新商品です。それに関してはまだ発表できませんが、隠れ商品的に「なんだ、豊田乳業はこんな商品も製造しているか」と、お客様に驚き且つ喜んで頂きたいと考えていますので、どうぞ楽しみにしていてください。
営業の現場は次の世代の二人の息子に任せました。私自身は、工場内を如何にしようか日々思案中です。機械いじりが楽しいのも、祖父の血を引いているからかもしれませんね。今後も弊社とお客様との間にクレームがないよう、商品管理、商品作りに一層心して向かい合いたいと思っております。
取材後記
いつお伺いしても清潔な工場。今回の取材でその理由がはっきりとわかりました。それは「徹底した商品管理への伝統」を受け継いでいくという確固たる思いの表れでした。社長自ら丁寧にご案内してくださり、「ラインを管理するコンピューターの前で、試行錯誤するのが楽しい」話してくださいました。その豊田社長の笑顔と、次世代を担う二人の息子さんが協力してその任務にあたるお姿を拝見しておりますと、商品への思い、愛情がひしひしと伝わってきます。今後さらに素晴らしい商品が生み出されている様子が目に浮かぶようです。
県内外の多くのファンの皆様に愛され87年。品質と美味しさを追求する豊田乳業様のお役に立てるよう、私共もより一層研鑽を積んで参ります。
豊田乳業様の益々のご発展と社員の皆様、ご家族の皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。ご協力、誠にありがとうございました。